2023/09/05 1:22
一番好きな季節が冬だと自覚した年にこの詩に出会った。冬のよさを語るためには季節がおいついていないので、覚えていたら追記しようと思う。
「かくて夜は更け夜は深まつて
犬のみ覚めたる冬の夜は
影と煙草と僕と犬
えもいはれないカクテールです」
ここの部分の特に”影と煙草と僕と犬”の部分が好きだ。三つ並べるのではなく四つ並列することで、リズムがちょうどよくなっていると思う。三つの並列の例えは「わたしと小鳥とすずと」である。もしかしたら、”犬”で体言止めになっているからリズムがいいように感じるのかもしれない。
詩のここが好きと表すのは難しいと感じている。
ふとした時に声に出し、さてあれはどこで見たものだったかなと調べ、「あぁ」となって続きを覚える。またふとした時に声に出し、「これはたしかあれだった」となりもう一度調べだんだんその詩の全体を覚えていく。
詩の全部を空で言えるようになっても終わりではない。覚えて満足してそのままにできるようなものではないのだ。そのままにしていても、またふとしたときに思い出す。これが言い表すことのできないよさなのかもしれない。
2023/09/05 9:34